専門分野: 心臓・血管
Q: 心臓弁も必ずや再生
10数年前から心臓大動脈弁閉鎖不全を発症、6年前から左心室拡張期に65mmを少し超えたので降圧剤で、調整し、左心室収縮期43mm前後ですが、2年前の11月にオペ適用45�@となり、現在は、体重減で何とかオペを先延ばしにしているところです。この疾病は人工弁で治療法は確立されていますが、ワファーリン、怪我による出血の危険は残ります。是非この分野にも一刻も早い再生医療の道を開いてもらいたいと思います。心臓自身の再生の副産物で、心臓弁も必ずや再生されると期待して日々を送っておりますので、是非よろしくお願いいたします。この方向で現在の取組み経過などありましたら、是非ご案内もよろしくお願いします。 敬具。
掲載日: 2010.6.9
A:
心臓弁の再生医療についてのご質問です。心臓弁の機能不全で、部分的な修復だけでは対処できない場合、弁を置換する手術が行われます。その際に用いる弁としては、ご相談にある人工弁(完全な人工物で作った機械的な装置)の他に、ブタなど異種動物の弁を薬品処理したものや、亡くなられた人から提供されたヒトの心臓弁が用いられます。それぞれに一長一短がありますので、場合に応じて使い分けられます。ただ、患者さん自身の細胞に由来する弁が再生できれば、これが最も好ましい弁になることが期待されますので、世界中で研究が進んでいます。例えば、ブタの心臓弁から細胞を取り除き、そこに患者さん自身の細胞を植え付けたものなどは、動物実験レベルではすでに研究が進んでいます。また、弁の形を皮下組織の細胞で作製する研究も行われており、朝日新聞のウエッブサイトでも報じられています(http://www.asahi.com/science/update/0327/TKY201003270205.html)。心臓弁の再生医療も確実に研究が進んでおりますので、臨床応用が可能になるのおそれほど先のことではないように思っております。
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